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140文字以上の主に本についてのつぶやき

『読書する女たち』ステファニー・スタール その2

前回ブログを書いてからだいぶ日が経ってしまいました。この夏は体調を崩したりして、もう若くはないことを思い知らされました。 9月に入ってこの本を読むのをゆっくり再開して先程読み終わったところです。 moyoco.hatenablog.com フェミニストが書いた著作…

『読書する女たち』ステファニー・スタール その1

今日からこの本を読み始めました。 育児のため新聞記者の夢を諦め、ライターとして働くステファニーは、 果てしなく続く家事と育児と仕事に追われ、閉塞的な日々を過ごす。ある日、学生時代に読んだベティ・フリーダンの『女性学の神話』を再読し感銘を受け…

『私は自分のパイを求めるだけであって人類を救いにきたわけじゃない』キム・ジナ

今日からこの本を読み始めました。 上野千鶴子さん イ・ミンギョンさん 推薦韓国で発売直後から大反響 共感の声自分の分け前を取り返したい女性のための野望エッセイ 待望の日本語訳 上野千鶴子氏 「男に伍して男が独占したパイを奪おうとしたキャリアウーマ…

『夜空に浮かぶ欠けた月たち』窪美澄

この本をもう少しで読み終わるところです。 きれいな形でなくてもいい。 きっと誰かが照らしてくれる。 東京の片隅、小さな二階建ての一軒家。庭に季節のハーブが植えられているここは、精神科医の夫・旬とカウンセラーの妻・さおりが営む「椎木(しいのき)メ…

2023年上半期に読んだ本ベスト10冊

7月になったので、今年(2023年)の1月から6月までに読んだ本の中でのベスト10冊です。2023年に出版された本限定というわけではありません。下記になります。 2023年上半期に読んだ本ベスト10冊 ケイト・ザンブレロ『ヒロインズ』 moyoco.hatenablog.com moy…

『母親になって後悔してる』オルナ・ドーナト

昨日からこの本を読みはじめました。 子どもを愛している。それでも母でない人生を想う。 社会に背負わされる重荷に苦しむ23人の切実な思い。世界中で共感を集めた注目の書! 著者はイスラエルの女性社会学者で、この本の調査・研究母体は従ってイスラエル人…

「カモフラージュ 自閉症女性の知られざる生活』サラ・バー・ギエラ

昨日このグラフィックブックを読み終えました。 今までずっと、「カモフラージュ」しながら生きてきた。 「普通」のふりをしようと一生懸命頑張った結果、わたしの抱えている困難にだれも気づいてくれなかった。*自閉症スペクトラム障害を持つひとは、自分…

『むずかしい女たち』ロクサーヌ・ゲイ

毎日少しずつ読んでいたこの本を読み終えました。 幼い頃に誘拐され監禁された過去を持つ姉妹。彼女たちの人生は続く(「ついていく」)夫がときどき双子の兄と入れ替わっているのを知っている妻(「カインの徴」)ふしだらな女、不感症の女、いかれた女…哀しく…

飛び退っていく時間

最近、毎日が「あっ!」という間に過ぎていく。なんでこんなに時間が足らないのだろう?家事、名前のない家事、AI画像生成とそのブログアップ、猫のお世話をしているともう夜だ。夜はざっとネットに目を通すのとAI画像生成のブログアップ。読書に当てる時間…

『ファットガールをめぐる13の物語』モナ・アワド

今はこの本を読んでいて、 自分の体のサイズをめぐって悩みを抱える主人公エリザベス。同じようなコンプレックスをもつ女性たちとも関わって生きている。ダイエットに取り組み、次第に彼女は痩せていくのだが──。人が自分の体を生きることの居心地のわるさを…

『ミライの源氏物語』山崎ナオコーラ

今日はこの本を読んでいます。 〈ルッキズム、ロリコン、不倫。現代を生きる私たちは名作古典「源氏物語」をどう読めるか〉 〈人気作家・山崎ナオコーラによる現代人のための「源氏物語」エッセイ〉現代人が「源氏物語」を読むときのハードルとなるのは、ひ…

『五月 その他の短篇』アリ・スミス

先程この本を読み終えました。 近所の木に恋する<私>、バグパイプの楽隊に付きまとわれる老女、おとぎ話ふうの語りの反復から立ち上がる予想外の奇譚……現代英語圏を代表する作家のユーモアと不思議に満ちた傑作短篇集。 なかなか一筋縄ではいかない読書体…

『鴨居羊子の生き方百科』鴨居羊子

この本を読み終わりました。 2021年、没後30年を迎える鴨居羊子は、新聞記者から下着デザイナーを志した異色の人。多才な彼女は、下着デザイナー以外にも、エッセイスト、画家、人形デザイナー、絵本作家としても活躍。早くから女性の自立を訴えた先進的な女…

『華ざかりの三重奏』坂井希久子

この本を読み終わりました。 独身で子供のいない可南子は、もうすぐ還暦を迎える。これまでは仕事一筋に頑張ってきたが、定年退職したあと、どう生きればいいのか途方に暮れている。 そんな中、子育てと介護を終えたかつての友人・芳美から、一緒に暮らさな…

『やわ肌くらべ』奥山景布子

現代の韓国から次は明治時代の日本にタイムトリップです。 「別れた女に金の無心までして、あの人が目指すのは何なのでしょう――」明治に浪漫主義運動の旗頭「明星」を創刊し、数多の才能を育てた与謝野鉄幹。その人生には、彼に身も心も翻弄された女性たちが…

『フェミニストってわけじゃないけど、どこか感じる違和感について──言葉にならないモヤモヤを1つ1つ「全部」整理してみた』パク・ウンジ

先程このながーいタイトルの本を読み終えたところです。 『82年生まれ、キム・ジヨン』を生んだ韓国発、「これからの世代」の必読書! 「仕事」「家事」「結婚」「社会」…… 「気にしすぎかな…」とずっと自分に言い聞かせてきたけど、いつまでも引っかかるこ…

『たまたま生まれてフィメール』小川たまか

この本を読みました。 なんの絆か。なんの呪縛か。ときどきすごく滑稽に感じる。 結婚と夫婦別姓、政治とジェンダー、透明化される性犯罪被害者の声――。性暴力を取材しつづけるライターの著者が、この国で生きる女性やマイノリティが直面する困難を問い直す…

『火葬』金薫

この本を読み終えました。 死の影が忍び寄る妻を看病する私の前で あなたのあふれる生命力はまばゆい光を放っていた 第6回「日本語で読みたい韓国の本 翻訳コンクール」受賞作を書籍化 大手化粧品会社で役員を務め現場の指揮を執る「私」は、前立腺炎を患い…

『ACE アセクシュアルから見たセックスと社会のこと』アンジェラ・チェン その4

今日は303ページから読みます。 moyoco.hatenablog.com moyoco.hatenablog.com moyoco.hatenablog.com まずはほとんどすべての根底に見つかりうる、次のような大本の信じ込みに揺さぶりをかけることからだ。すなわち、セックスは私たちの原初的な本能の一つ…

『ACE アセクシュアルから見たセックスと社会のこと』アンジェラ・チェン その3

今日は203ページから読みます。 moyoco.hatenablog.com moyoco.hatenablog.com エース・コミュニティの夢は、共通の経験のある人々を集め、私たちがお互いを見つけたり、リソースを作ったり、大丈夫だと感じあったりするのを手助けすることだった。(220ペー…

『ACE アセクシュアルから見たセックスと社会のこと』アンジェラ・チェン その2

昨日の続きで、今日は103ページから読みます。 moyoco.hatenablog.com 男たちは女たちを支配するのに長らく恥の感覚を用いてきた。(131ページ) もう一度確認しとく。セックスは政治的なものだ。誰が快楽を得るに値するかも、何が型破りだと考えられるのか…

『ACE アセクシュアルから見たセックスと社会のこと』アンジェラ・チェン その1

今日からこの本を読みはじめました。早く読みたくて発売日まで待てなくて、先行発売の書店さんから取り寄せました。メモをしながら読み進めているので(まだ読み途中です)、ドキュメンタリー形式でお送りしたいと思います。 交際・結婚していたらセックスす…

『グレイスレス』鈴木涼美

読書を再開してエッセイばかり読んでいましたが、ついに読んだ物語はこちら。 デビュー小説『ギフテッド』に続き、芥川賞候補に選ばれた鈴木涼美の第二作。主人公は、アダルトビデオ業界で化粧師(メイク)として働く聖月(みづき)。彼女が祖母と共に暮らすのは…

『40才だけど大人になりたい』王谷晶

こちらの本をさきほど読了しました。 年はとった。しかし、なんか違う気がする。 身体の衰え、お金の不安、変えられない生活習慣……理想と現実のギャップに戸惑う中年世代へ贈る、痛快オトナ考! 「ウェブ平凡」の大好評連載を書籍化。 中学生の頃に憧れてい…

『東京日記7 館内すべてお雛さま。』川上弘美

シリアスな本を立て続けに読んでいたので、少し柔らかな本が読みたくなり、こちらを読了しました。 たんたんと、時にシュールに、そして深くリアルに。あなたの日常でも不思議なこと、実は起きていませんか? 奇しくもコロナ禍の3年間にあたった、2020年から2…

『パリの砂漠、東京の蜃気楼』金原ひとみ

今日から読み始めた本はこちら。 書かなければ生きられない、そして伝わると信じていなければ書けない、私は生きるために伝わると信じて書くしかない。デビュー20周年 パリと東京。二つの対照的な都市を舞台に綴る、著者初のエッセイ集。 一歳と四歳の娘を連…

『死ぬまで生きる日記』土門蘭 : ブックリスト

先日記事を書いたこの本、 moyoco.hatenablog.com 読み終わりました。 読んでいる間中わたしも共にセッションを受けている気がしたし、わたしも以前のカウンセリングから螺旋状に少しでも進歩していればいいな、と思いました。 あと、1人だけど独りじゃない…

『死ぬまで生きる日記』土門蘭

今読んでいる本はこちら。 日常生活はほとんど支障なく送れる。「楽しい」や「嬉しい」、「おもしろい」といった感情もちゃんと味わえる。それなのに、ほぼ毎日「死にたい」と思うのはなぜだろう? カウンセラーや周囲との対話を通して、ままならない自己を…

『毛布 あなたをくるんでくれるもの』安達茉莉子

読書スランプから復帰の1冊目(本当は1冊目は絵本を読んだのだけど)に選んだのがこちらの本でした。 安達茉莉子さんの『毛布 あなたをくるんでくれるもの』 これまで言葉と絵で「物語」を表現してきた作家、安達茉莉子の初エッセイ集。日々の出来事や感情を…

『暇と退屈の倫理学』國分功一郎

この本、「ひまりん」って言うんだってね。 暇とは何か。人間はいつから退屈しているのだろうか。 答えに辿り着けない人生の問いと対峙するとき、哲学は大きな助けとなる。著者の導きでスピノザ、ルソー、ニーチェ、ハイデッガーなど先人たちの叡智を読み解…