PARANOID ANDROID

140文字以上の主に本についてのつぶやき

『たまたま生まれてフィメール』小川たまか

この本を読みました。

なんの絆か。
なんの呪縛か。
ときどきすごく滑稽に感じる。

結婚と夫婦別姓、政治とジェンダー、透明化される性犯罪被害者の声――。
性暴力を取材しつづけるライターの著者が、この国で生きる女性やマイノリティが直面する困難を問い直す、フェミニズム・エッセイ。

考えさせられる文章があったので、引用します。

企業広告を炎上させるのはネット上の一部の人たち。多くのユーザーは炎上の理由もよくわかっていない。炎上を見ても一歩引いてどっちもどっちだと思っている。社会問題も深掘りしない。都会で働く若い女性が気にいるモードなデザインよりも多少の野暮ったいデザインの商品が売れるのと同じで、人種差別もジェンダーも環境問題も、意識が高い人はほんの一握りだから、そこに訴えかけたって無関心。無関心ならば炎上のほうがまだいい。だから炎上マーケティングを仕掛けるヤケクソな人も出てくる。僕らは(注:これは広告業界の人)そういう視点でツイッター炎上を見ているだけで、差別をなくそうとか、そういう話は今はしていない。

社会問題に敏感な人たちが一部というのは、確かにそうかもしれない。けれどそこで冷笑や諦観に走るなら、それはなんと楽な道だろう。そして、彼らが社会の「暗い問題」のほうへは一本線を引いて、そこから先へ立ち入るのは鬼門であるかのようにふるまうのはなぜなのだろう。(113ページ)

自分も含めて当事者意識をもっと持って社会を見なければ、と思いました。
でも持ちすぎたり、共感したりしすぎるのも危険だと思うの。
中庸というか、ほどほどに、ね。

あと、Twitter上にはフェミニストのなりすましアカウントが存在する、と書いてあるのにも「やはり…」と思いました。
彼らが(多くは男性)「僕たちの考える愚かなフェニミスト」になりすまして、彼らが考える「フェミニストが言いそうなアホな主張」をツイートすると、それをフェミニストを叩く材料にする人がいるらしい。なにそのマッチポンプみたいなの。

なんだろ?
暇な人が多いのか承認欲求が拗れてしまっているモンスターみたいな人なのか…。
わたしは所謂「ツイフェミ」とフェミニストは別物だと思うのですが違うのかな?
SNSは苦手なの…。