PARANOID ANDROID

140文字以上の主に本についてのつぶやき

『化学の授業をはじめます。』ボニー・ガルマス

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●全米250万部、全世界600万部。2022年、最も売れたデビュー小説! 
●ドラマ『レッスン in ケミストリー』原作! 

著者デビュー作にして、世界600万部の大ヒット小説がついに日本上陸! 

舞台は1960年代アメリカ。 
才能ある化学の研究者エリザベスは、いまだ保守的な男社会の科学界で奮闘するが、無能な上司・同僚からのいやがらせ、セクハラの果てに、研究所から放り出されてしまう。 

無職・未婚のシングルマザーになってしまった彼女がひょんなことからゲットした仕事、それはテレビの料理番組「午後六時に夕食を」で料理を指南する出演者だった。 

「セクシーに、男性の気を引く料理を」というテレビ局の要望を無視して、科学的に料理を説くエリザベス。しかし意外にも、それが視聴者の心をつかんでいく……。 

ブリー・ラーソン(『キャプテン・マーベル』)が自ら制作総指揮、主演したApple TV+のドラマ版『レッスン in ケミストリー』も大ヒットし、全世界の女性(と犬好き)に支持された痛快無比の一冊。 

「料理は立派な科学(サイエンス)だもの。まさに化学(ケミストリー)よ」 
全女性(もちろん全男性も)、そして全犬好きにお薦め、最高のエンパワー小説にしてエンタメ小説です。

たぶん今のところ今年読んだ本の中で2番目におもしろいです。

彼らはエリザベスを管理したがり、さわりたがり、支配したがり、黙らせたがり、矯正したがり、指図したがる。なぜ仲間の人間として、同僚として、友人として、対等な相手として、あるいはただの通りすがりの他人として女性に接することができないのか、エリザベスには理解できなかった。〜325ページ

女性がいつかはぶち当たる、一度は感じたことのある男性に対しての壁?思いだと思う。

以下が著者の1番言いたかったことのひとつなのでは?と思ったので、少し長いけれど、引用。

ハリエットに言わせれば、男は女とほとんど別種の生き物だった。男は甘やかされることを必要とし、すぐに傷つき、自分より知的だったり脳力が高かったりする女性を許せない。「ハリエット、それはおかしいんじゃないかしら」と、エリザベスは異議を唱えた。「男性も女性も、どちらも人間です。人間であるわたしたちはみんな、受けたしつけの副産物であり、欠陥だらけの教育制度の犠牲者であり、それでも自分の行動を選ぶことができる。要するに、女性を男性より劣ったものとして貶め、男性を女性より優れたものとして持ちあげるのは、生物学的な習性ではありません。はじまりはふたつの言葉です。ピンクと青。それが全ての元凶です」〜326ページ

そしてこのことに疑問を持つと同じ女性から示される態度についてもそのあとに書かれている。

「どうしてそうなってしまったんでしょう?」エリザベスは問う。「どうして女性はそういう文化的な固定観念を受け入れるのか?それどころか温存してしまうのか?アマゾンの奥地には、女性が支配する部族があるのを知らないのでしょうか?マーガレット・ミードは絶版になったんでしょうか?」エリザベスがそこで口を閉じたのは、ハリエットが立ち上がり、これ以上ややこしい言葉は聞きたくないと態度で示したからだった。〜327ページ

わたし、最近思うのだけど、こういう本を読んで、例えばそうそう!と膝を打ったり、溜飲を下げたり?するのも個人の自由だからいいと思うのだけど、そうではなくて実際に自分で行動に出さなければ?移さなければって思うようになってる。
そしてそれがどんなに難しいか、ということもわかって、打ちのめされて、現状に甘んじてる。

たぶん、現状に甘んじてる人、かなり多いのでは…。

この本は明日には読み終わるのではないかな。