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140文字以上の主に本についてのつぶやき

『死ぬまで生きる日記』土門蘭 : ブックリスト

先日記事を書いたこの本、

moyoco.hatenablog.com

読み終わりました。

読んでいる間中わたしも共にセッションを受けている気がしたし、わたしも以前のカウンセリングから螺旋状に少しでも進歩していればいいな、と思いました。

あと、1人だけど独りじゃない、って感じられるの、大切ですよね。
わたしもがんばろう…。

この本には、各章の末尾に著者の土門蘭さんが落ち込んだり辛くなった時に読んで助けられた本を紹介されているので、リスト化してみました。
挙げられている『クララとお日さま』、発売された時カズオ・イシグロは『わたしを離さないで』があまりにも淡々としていたのでスルーしていましたが、読もうと思いました。

『八本脚の蝶』二階堂奥歯

目覚めなさい。現実から目覚め、「私」から目覚めなさい。もっと深く夢見たいのなら―。二十五歳の若さで自らこの世を去った女性編集者・二階堂奥歯。亡くなる直前まで書かれた二年間の日記と、作家や恋人など生前近しかった十三人の文章を収録。無数の読書体験や鋭敏な感性が生み出す、驚くべき思考世界と言語感覚。著者没後十七年、さらに鮮烈さを増す無二の一冊。2016年本屋大賞・発掘部門「超発掘本!」

 

『帰ってから、お腹がすいてもいいようにと思ったのだ。』高山なおみ

高山なおみが本格的な「料理家」になる途中のサナギのようなころの、雨ではないが晴れ間でもない、なにかの中間にいることの落ち着かなさ、不安さえ見え隠れする淡い心持ちを、そのままに綴ったエッセイ集。なにげない日々のなにげない出来事が静かに心を揺らし、切なく痛い。カラー口絵、32レシピ付き。

 

きらきらひかる江國香織

私たちは十日前に結婚した。しかし、私たちの結婚について説明するのは、おそろしくやっかいである―。笑子はアル中、睦月はホモで恋人あり。そんな二人は全てを許し合って結婚した、筈だったのだが…。セックスレスの奇妙な夫婦関係から浮かび上る誠実、友情、そして恋愛とは?傷つき傷つけられながらも、愛することを止められない全ての人々に贈る、純度100%の恋愛小説。

 

プリンセスメゾン池辺葵

私だけの家。それは幸福で、孤独な場所。

映画化作品『繕い裁つ人』の池辺葵氏、最新作は“住”。

女ひとり、 たったひとつの“家”さがしは、 運命の人を見つけるよりも 難しい!?

2015年、日本。 女性がひとりで家を買うことは、 無謀なのか、堅実なのか。 年収250万ちょっとの独身女性・沼越さんが、 オリンピックを控えた東京で、 理想の家を求めて歩く。

twitterなどで大人気の、共感度100%の家さがしストーリー。

 

『パリの砂漠、東京の蜃気楼』金原ひとみ

書かなければ生きられない、そして伝わると信じていなければ書けない、私は生きるために伝わると信じて書くしかない。デビュー20周年

パリと東京。二つの対照的な都市を舞台に綴る、著者初のエッセイ集。

一歳と四歳の娘を連れ、周囲に無謀だと言われながら始めたフランスでの母子生活。パリで暮らし六年、次第に近づいてくる死の影から逃れるように決意した、突然の帰国。夫との断絶の中でフェスと仕事に混迷する、帰国後の東京での毎日。ずっと泣きそうだった。辛かった。寂しかった。幸せだった──。二つの対照的な都市を舞台に、生きることに手を伸ばし続けた日々を綴る、著者初のエッセイ集。

 

『断片的なものの社会学』岸政彦

路上のギター弾き、夜の仕事、元ヤクザ…人の語りを聞くということは、ある人生のなかに入っていくということ。社会学者が実際に出会った「解釈できない出来事」をめぐるエッセイ。

 

『〈責任〉の生成ー中動態と当事者研究國分功一郎・熊谷晋一郎

責任(=応答すること)が消失し、「日常」が破壊された時代を生き延びようとするとき、我々は言葉によって、世界とどう向き合い得るか。『中動態の世界』以前からの約10年にわたる「当事者研究」との深い共鳴から突き詰められた議論/研究の到達点。

 

『クララとお日さま』カズオ・イシグロ

ノーベル文学賞 受賞第一作
カズオ・イシグロ最新作、 2021年3月2日(火)世界同時発売!
AIロボットと少女との友情を描く感動作。

 

『駆込み訴え』太宰治

あの人は、私の女をとったのだ。いや、ちがった! あの女が、私からあの人を奪ったのだ。

「ずたずたに切りさいなんで、殺して下さい」。男はそう言って、自らの師の居場所を密告した。

太宰治の名作が、有名ゲームのキャラクターデザインなどで知られ、本シリーズではイェイツ『春の心臓』、江戸川乱歩人間椅子』、夢野久作『死後の恋』、『瓶詰地獄』、泉鏡花『外科室』を担当する大人気イラストレーター・ホノジロトヲジによって描かれる。 名作文学と現代の美麗なイラストが融合した、珠玉のコラボレーション・シリーズ。

自分の本棚に飾っておきたい。大切なあの人にプレゼントしたい。そんな気持ちになる「乙女の本棚」シリーズの1冊。

 

富士日記武田百合子

  

夫、武田泰淳と過ごした富士山麓での十三年間を、澄明な目と無垢な心で克明にとらえ、天衣無縫の文体で映し出す。田村俊子賞受賞作。巻末に関連エッセイ、大岡昇平の「山の隣人」と、武田泰淳の「山麓のお正月」を収録する。 

愛犬の死、湖上花火、大岡昇平夫妻との交流……。執筆、選考会、講演など、夫・泰淳の多忙な仕事の合間を縫うようにして過ごす富士山荘での日々を綴る。昭和四十一年十月から四十四年六月の日記を収録する。田村俊子賞受賞作。 〔全三巻〕 巻末エッセイ しまおまほ

「忙しくてくたびれて」日記を付けられなかった二年間を経て、ふたたび丹念に綴られる最後の一年間。昭和四十四年七月から五十一年九月までの日記を収録。田村俊子賞受賞作〔全三巻〕 〈巻末エッセイ〉武田花

 

『八月のフルート奏者』笹井宏之

佐賀新聞」に託した愛する世界

この世と、この世ならざる者との間で生じる思索を、言葉の音楽に変えていった青年の本心が、どの歌にもじっくりと座っている。 東 直子(解説より)

<監修者選短歌五首>

葉桜を愛でゆく母がほんのりと少女を生きるひとときがある

八月のフルート奏者きらきらと独り真昼の野を歩みをり

雨といふごくやはらかき弾丸がわが心象を貫きにけり

ひろゆき、と平仮名めきて呼ぶときの祖母の瞳のいつくしき黒

木の間より漏れくる光 祖父はさう、このやうに笑ふひとであつた

『戦争と五人の女』土門蘭

読者諸兄姉へ 『戦争と五人の女』は、太平洋戦争の終戦後、そして、朝鮮戦争の休戦間近である1953年7月、その、僅かひと月の物語です。本作では、そのたった一ヵ月で、繰り返し繰り返し、五人の女が描かれます。 「五人の女」とは、主に戦争という混乱期に翻弄された娼婦たちのことです。娼婦という職業が重要なのではなく、外的な要因に翻弄されていくという、その輪郭が文学になります。 思えば、戦争というものは「個人の力ではどうにもならない世界の理不尽なシステム」の比喩なのでしょう。 その「理不尽な暴力」「抗うことができない絶望的な世界の仕組み」は、現代の我々が感じている閉塞感と、とても似ているように思えます。時代が違っても、人間というものの本質はあまり変わっていないのかもしれませんね。 著者の筆致は判然として明快とも言えますが、しかしモチーフは重厚。そのようなテーマを、小説という体系を使い、女性そのものを描こうとしています。 舞台は広島県呉市朝日町。 『この世界の片隅に』(こうの史代著、双葉社刊)を読まれた読書子ならば、リンという遊女が出てきた街として記憶されていることでしょう。時代は10年ほど違いますが、場所は同じです。 それは著者が生まれ育った、故郷でもあります。 行間の生々しい息遣いは、そのような背景から生まれているのかもしれません。 また、本作は、これまで中短編を書いてきた土門蘭の、初の長編小説でもあります。 画文集やルポルタージュなどで(つまり、歌人としてインタビュアーとして)定評と人気を集める著者ですが、待望の文芸作品が刊行される運びとなりました。 普段、読書をしていないひとでも読みやすく、しかし、読む時期によっては人生が変わってしまうほどの強い小説です。 ぜひぜひ、この機会にお求めください。請御好評。 編集部より

 

わたしも今日も生きています。
さて、次は何を読もう?