PARANOID ANDROID

140文字以上の主に本についてのつぶやき

『むずかしい女たち』ロクサーヌ・ゲイ

毎日少しずつ読んでいたこの本を読み終えました。

幼い頃に誘拐され監禁された過去を持つ姉妹。彼女たちの人生は続く(「ついていく」)夫がときどき双子の兄と入れ替わっているのを知っている妻(「カインの徴」)ふしだらな女、不感症の女、いかれた女…哀しく美しいそれぞれの女たち(「むずかしい女たち」)女版ファイト・クラブを夜な夜な開催する私と親友のテイト(「赤ん坊の腕」)男しかいない職場で疲弊する私が出逢ったのは(「ノース・カントリー」)人生を犠牲にしてきたハナは、親友であり愛し合っているローラと家を出る(「どんなふうに」)私の忘れられない記憶をゆっくりと癒やしてくれたあなた(「ほかの神々」)他、これまで見ないふりをされてきた、女の傷と痛みに寄り添う21編。

フェニミズム的な主張は控えめな小説でしたが、特に最後に置かれた「ほかの神々」は読みながら息を止めてしまうほど苦しい物語でした。
訳者あとがきを読むと、著者の実体験をもとにしているそうです。
ここには具体的には書かないけれど。
「ラ・ネグラ・ブランカ」、「ノース・カントリー」が好みでした。
後半になるにつれて書かれている内容が重くなっていきます。
見開き2ページの超短編からディストピア小説ま多岐に渡る小説集でした。