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140文字以上の主に本についてのつぶやき

『火葬』金薫

この本を読み終えました。

死の影が忍び寄る妻を看病する私の前で あなたのあふれる生命力はまばゆい光を放っていた

第6回「日本語で読みたい韓国の本 翻訳コンクール」受賞作を書籍化

大手化粧品会社で役員を務め現場の指揮を執る「私」は、前立腺炎を患いつつ、死期の迫った妻の看病をしている。病にむしばまれていく体へのぞっとするほどのリアルな描写と、社内の女性社員への秘めた思いの独白とが交差しながら物語が進んでいく。

通俗的設定のようにも見えるが、作品は読者の安易な感情移入を冷たくあしらうかのように終末へと向かう」――訳者解説より

金薫(『狐将』、『黒山』)による2004年李箱文学賞受賞作を、原文と邦訳の二言語で収録。

主人公である語り手の妻に先立たれた54歳男性が、
同じ社内の若い女性に思いを寄せているのだけど、
そのことが書かれてある章だと文体が変わり、
なんというか偏執的じみているというか、
まぁ全部頭の中でのことなのだけど、
生理的にこの男の人無理ーってなりました。。。

いや、病の妻と健康な若い女性という対比で文学的な作為だとは思うのですが。