PARANOID ANDROID

140文字以上の主に本についてのつぶやき

『アンダイング 病を生きる女たちと生きのびられなかった女たちに捧ぐ抵抗の詩学』アン・ボイヤー

今日からこの本を読みはじめました。

「病気は決して中立的なものではない。治療はイデオロギーと無縁ではありえない。死が政治性を免れることもない。」 シングルマザーであり、大学で教えながら詩人として活動する著者は、41歳のときトリプルネガティブ乳がんと診断された。著者は自らが経験したことを書きながら、スーザン・ソンタグ、オードリ・ロード、キャシー・アッカーなど、乳がんで命を落とした女性作家らが乳がんをいかに「書いたか/書けなかったのか」という歩みを辿り、米国の資本主義医療の欺瞞を突く。2020年ピュリッツァー賞受賞作。 ケイト・ザンブレノ『ヒロインズ』で高い評価を得た訳者、西山敦子による待望の著者初邦訳! 「死んだ女性たちからなる反乱軍をこの世に生き返らせたかった。」 新田啓子氏、絶賛! アンダイングとは、不死身ではない我々への呼びかけであり、命を落とした人々への哀悼でもある。がん医療の実際と病を語り伝える人間の不屈さを綴る本書を前に、私自身の人生観が静かに変わる。 

訳者の方が、今年読んだ中で今のところ1番な本、ケイト・ザンブレノ『ヒロインズ 』の方で、この情報だけでもう読みます!ってなったのと、

moyoco.hatenablog.com

わたし自身が7年前に乳がんになり左乳房を切除しているといった経験があるので(再建してます)興味を惹かれました。あと今ならもう客観的にこういった類いのものは読めるかな?という実験の意味もあります。

「あなたは病気だ」と確信に満ちた宣告をされながら「でも元気だけど」と確信に満ちた実感を持つこと。言葉という硬い壁にぶち当たる瞬間だ。ぼんやりした不確かさに浸る猶予は一時間と与えられない。「この問題にどう対処すればいいのかまだわからないのに、わたしの人生をぶった斬るものの名前はもう、はっきりわかっているんだ」と不安な気持ちを先取りして心を落ち着ける暇さえないのだ。〜22ページ

あゝそうだった。わたしもこんな感じで現代医療という名のエレベーター(特急電車とかでもいいし、まな板の上の鯉とかそんな感じ)にあらあらまあまあと思う暇なく乗せられてしまったのだったと思い出しました。

この本の着地点はどうなるのだろう?