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140文字以上の主に本についてのつぶやき

『読書する女たち』ステファニー・スタール その3

ステファニー・スタール『読書する女たち フェミニズムの名著は私の人生をどう変えたか』の中で、 著者が取り上げた、読んでいた本一覧になります。

moyoco.hatenablog.com

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まず始まりは旧約聖書、『創世記』から。

罪を犯して神から追放を受けた人類とその人類に対する神の救いが聖書全体をつらぬく問題であるとすれば、旧約巻頭のこの書こそ、その問題への出発点である。天地の創造、人類のはじまり、楽園追放、ノアの洪水、その子孫の増加、そしてイスラエル民族の祖先たちの罪と罰の記録。次々に壮大な神と人類の物語が展開されてゆく。

『ベルぺトゥアの殉教 ローマ帝国に生きた若き女性の死とその記憶』。

三世紀のカルタゴ。闘技場で野獣刑に処された若きキリスト教徒の女性に焦点を当て、殉教という行為とその背景にある思想の対立を描く。

紀元203年、カルタゴの地で若きローマ貴婦人ペルペトゥアは、仲間とともに逮捕された。彼女は、彼女を深く愛する富裕な家族の中で育ち、既に結婚しており、乳飲み子である息子もいた。父親の嘆願にもかかわらず彼女はキリスト教信仰を宣言し、信仰のために生きることを主張し、ローマ皇帝のために犠牲を捧げることを拒んだ。彼女は裁判にかけられ、闘技場で獣に殺されるという刑を宣告され、牢獄に入れられた。 ここまでのところ、彼女の経験は、他の多くのキリスト教殉教者のそれと似通っている。ペルペトゥアが他の殉教者たちと異なるのは、投獄されていた最後の日々を日記に記したことである。この日記の中で、ペルペトゥアは家族、息子、そして自分のアイデンティティーへの思いを語っている。さらに彼女は、預言的であると信じた、四つの夢を記録した。彼女の思考の、個人的かつ濃密なこの記録の中に、私たちは一人の人間の心の中で起きたさまざまな思想の衝突を見ることができる。 本書は、ペルペトゥアという一人のキリスト教殉教者に焦点を当て、殉教という行為そのものとその背景にある思想の対立を鮮やかに描いている。

メアリ・ウルストンクラフト『女性の権利の擁護』。

女性解放思想の出発点として不滅の地位を占める古典の完訳。18世紀に女性の経済的・精神的自立を主張して、人類の半分を目覚めさせた。

ケイト・ショパン『目覚め』。

「目覚めたほうがいい。一生、幻想にだまされたままでいるよりは、たとえ…」 人妻の姦通と自殺を描き、出版当初酷評されながら、60年代フェミニズム運動の中で再評価されたショパンの問題作。

シャーロット・パーキンス・ギルマン『黄色い壁紙』(下記短編集所収)。

病は時代や社会、文化を映す鏡。結核ハンセン病、梅毒、神経衰弱、不眠、鬱、癌、心臓病、皮膚病など9つの病を主題とする14編。

ヴァージニア・ウルフ『自分ひとりの部屋』。

女性が小説を書こうと思うなら、お金と自分一人の部屋を持たねばならない――〈女性と小説〉の歴史を熱く静かに紡いだ名随想の新訳。

シモーヌ・ド・ボーヴォワール第二の性』。

神話、文学、生物学、精神分析など、男に支配されてきた女の歴史を紐解きながら、その自由な可能性を提示する画期的名著。

ヘイゼル・ローリー『差し向かい』。
(こちらAmazonで調べましたが検索結果なしでした。ネットで検索してみるも、どうやら邦訳されていないよう。ボーヴォワールの伝記です。)

ベティ・フリーダン『新しい女性の創造』。

つくられた「女らしさ」の幻想を砕き、女性の生き方の原点を求めた女性問題のバイブル。現代の日本で顕著になっている児童虐待、性犯罪、性の商品化、モノへの執着、青少年の人生目標の欠如なども指摘。86年刊に次ぐ改訂版。

シュラミス・ファイアストーン『性の弁証法』。

ケイト・ミレット『性の政治学』。

キャサリン・マッキノン『ポルノグラフィ 「平等権」と「表現の自由の間で』

女性や特定の民族・マイノリティーの平等権を侵害する暴力表現=ポルノグラフィは、表現の自由によって、無制限に守られるべきなのか。アメリカを代表する法律家が鋭く描き出した平等権と表現の自由の相克。

エリカ・ジョング『飛ぶのが怖い』。

エレーヌ・シクスー『メデューサの笑い』。

「女性的エクリチュール」が拓く、新しい人間像とは?クリステヴァ、イリガライと並ぶフランス・フェミニズムの高峰。

フロイト『ドーラ』。

ドーラに何が起こったのか。夜尿、偏頭痛、咳、そして失声、失神。このユダヤ人少女の病は長く重い。原因はわからない、あるいは多すぎる。しかしフロイトは言う、「口を閉ざす者は指先で語り、体中の毛穴からは秘密が漏れ出てくる」と。その分析と治療ははたして成功したのだろうか。「夢とヒステリー」と題された本作は、『ヒステリー研究』と『夢解釈』を書いたフロイトが、精神分析の理論と技法をいっそう成熟させた有名な症例研究である。疾病利得、症状行為、転移といった基礎概念に具体的な裏づけが与えられる。そのロマネスクな文体の魅力に加え、「いままでに書いたなかでもっとも精妙なもの」とフロイトが自賛する作品が新訳で登場。

キャロル・ギリガン『もうひとつの声』。

フェミニズムに画期をもたらし、〈ケアの倫理〉の原点とされる名著の増補版を完訳。女性の道徳発達を低く見積もってきた、主流派心理学の男性中心主義を剔抉、「目の前の苦しみを和らげ、誰ひとり取り残されてはならない」と命じる〈ケアの倫理〉の声を聴き取る。原題 “In a Different Voice: Psychological Theory and Women’s Development”

ケイティー・ロイフ『翌朝 セックスと恐れとフェニミズム』。
(こちらも邦訳されていないようです。)

ジュディス・バトラージェンダー・トラブル フェニミズムとアイデンティティの撹乱』。

権力はいかに言説のかたちをとって 身体・精神・欲望を形成するのか。
女と男の弁別が身体の自然に根ざすとする本質論的前提をくつがえし、セクシュアリティ研究の方向を決定づけたフェミニズム/クィア理論の最重要書。

リヴァーベンド『バグダッド・バーニング あるイラク女性の占領下日記』。

バグダッド在住のイラク女性、リバーベンド。彼女のブログ「バグダッド・バーニング(バグダッドは燃えている)」には混迷を極める占領下のイラク状況が克明に記されている。犠牲になった人々、破壊されていくイラクに思いを馳せて傷ついた心。米軍の家宅捜索によって味わった屈辱と怒り。亡命イラク人が中心となった暫定政権に対する不信感。誘拐や略奪に脅える日々。治安悪化や社会の混乱のなか、仕事や学業をあきらめざるをえない状況に追い込まれていく女性たち。リバーベンドの綴る文章に、イラクの普通の人々が感じている「失望と消耗」、そして「ある種の諦めをともなった怒りと恐れ」が込められている…。主権移譲された新政権によるイラクの今後に、彼女たちの想いは反映されるのだろうか。

この中で読んだことがあるのは、『創世記』と『目覚め』と『自分ひとりの部屋』だけでした。
フロイトのものはたぶん、学生時代に心理学の授業で読んでます。

なかなかに価格がおかしい本が多いですが、いずれにせよ、いつかは読んでみたいです。