『やわ肌くらべ』奥山景布子
現代の韓国から次は明治時代の日本にタイムトリップです。
「別れた女に金の無心までして、あの人が目指すのは何なのでしょう――」
明治に浪漫主義運動の旗頭「明星」を創刊し、数多の才能を育てた与謝野鉄幹。
その人生には、彼に身も心も翻弄された女性たちがいた。
「明星」の草創期を支え、子をなすも裏切られ続けた滝野、歌の才を愛されながら夭折した登美子、鉄幹の妻となり歌人として大成した晶子。
それぞれに訪れる鉄幹との修羅場、女たちのふしぎな連帯、そして鉄幹を凌ぐ歌人となった晶子の壮絶な運命とは――。
心も金も才能も燃やし、自らの足で歩み始めた明治女性たちの不屈の歴史恋愛長篇。
だから読書はいいですね。どんな時代のどんな場所にも行ける。
噂には聞いていましたが、たった数ページ読んだだけでわかる与謝野鉄幹のクズ男っぷり。希代のダメ男というか山師というか。
(5/28追記:読み終わり、与謝野鉄幹は作中では在原業平に憧れてると与謝野晶子に思われてる設定なのだけれど、もしかしてポリアモリーなのでは?とふと思いました。)
そしてこの当時、いくら学校を出てもそれは良い縁談のためとしか思われなかった女性たちの辛さ口惜しさ、やるせなさ。
山川登美子の歌が悲壮です。
画筆うばひ歌筆折らせ子の幸と 御親の情け嗚呼あなかしこ
そして与謝野晶子のしたたかさ。
110ページまで読みました。
とてもおもしろくて久々に一気読みしそうです。
では続きを読みます。
5/28追記:夜中に起きて一気読みしました。
今年上半期に読んだ本ベストテンに入りますね。