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140文字以上の主に本についてのつぶやき

『シェニール織とか黄肉のメロンとか』江國香織

江國香織さんの『シェニール織とか黄肉のメロンとか』、今日から読み始めました。

かつての「三人娘」が織りなす幸福な食卓と友情と人生に乾杯!

作家の民子、自由人の理枝、主婦の早希。 そして彼女たちをとりまく人々の楽しく切実な日常を濃やかに描く、愛おしさに満ち満ちた物語。 江國香織〝心が躍る〟熱望の長編小説。

江國香織さんの作品はおそらく全作品読んでいて、『去年の雪』

この本を読んでいる時、あなたはひとりじゃない。

自由自在に時空をまたいで進む物語は、100人以上の登場人物の日常が織り込まれたタペストリーのよう。覗いているうちに、読者もまた、著者の作り出す世界の住人になってしまう。そして、思いもよらぬ地平へと連れてゆかれる。江國香織小説のエッセンスが最大限に味わえるファン待望の一冊です。

以前から多数の人々の群像劇を描くという傾向にあったものがこの作品で顕著になり、前作の『ひとりでカラカサさしてゆく』

ほしいものも、会いたい人も、ここにはもうなんにもないの――。

晦日の夜、ホテルに集まった八十歳過ぎの三人の男女。彼らは酒を飲んで共に過ごした過去を懐かしみ、そして一緒に命を絶った。三人にいったい何があったのか――。 妻でも、子どもでも、親友でも、理解できないことはある。唐突な死をきっかけに絡み合う、残された者たちの日常。人生におけるいくつもの喪失、いくつもの終焉を描き、胸に沁みる長篇小説。

で作中にコロナ禍が出てきてしまい、江國香織作品の特徴は世間(世俗)からの「超越」にあると思っていたわたしはかなり驚愕したのですよね。

で、この『シェニール織とか黄肉のメロンとか』ですけど、超越している人物がいない!!

いや、いることはいるんですが、地に足ついてる感があります。
スケールが若い頃の作品に比べて小さいというか。
作中人物の年齢的なものもあるのかもしれないなぁ、などと思いながら読んでいます。