PARANOID ANDROID

140文字以上の主に本についてのつぶやき

『グレイスレス』鈴木涼美

読書を再開してエッセイばかり読んでいましたが、ついに読んだ物語はこちら。

デビュー小説『ギフテッド』に続き、芥川賞候補に選ばれた鈴木涼美の第二作。主人公は、アダルトビデオ業界で化粧師(メイク)として働く聖月(みづき)。彼女が祖母と共に暮らすのは、森の中に佇む、意匠を凝らした西洋建築の家である。まさに「聖と俗」と言える対極の世界を舞台に、「性と生」のあわいを繊細に描いた新境地。

主人公の「私」は倫理とその外をたゆたう彼女たちを粧わせる仕事をしているし、
一緒に住んでいる祖母も近所付き合いなどあるようだけれど、
私や祖母や母の俗世間を超越している感、
世間の際(きわ)にいる感がとても好みでした。
と、そんなことをこの祖母が知ったら、
「Are you kidding?」って言われちゃいそうだけど。

やっぱり没入させてくれる物語はいいですね。

そして著者の経歴が綺羅星の如くですね。