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140文字以上の主に本についてのつぶやき

『小沼丹推理短篇集-古い画の家』小沼丹

3冊注文した本が届く前に読んでいた本を読み終わってしまったので、

moyoco.hatenablog.com

こちらを読み始めました。
なにか一呼吸おいて、また海外の小説を読みたいと思ったのでした。

「これは古い池だから、いろんなものが沈んでるだろうな」――江戸川乱歩の慫慂を受け「宝石」に発表した表題作他、私小説の名手が活動初期に書き継いだ、スリルとユーモアとペーソス溢れる物語の数々。巻末に単行本・全集未収録の推理掌篇、および代表作〝大寺さんもの〟幻の第0作「花束」を収録。文庫オリジナル。

最初の短編である表題作の「古い画の家」を読み終えました。
たしかにペーソス溢れる、なんというか滋味のあるものを咀嚼した感。

小沼丹はマイナーな作家かもしれません。
古臭く感じてしまう方もいるかもしれませんが、だがそれがいい
ずっと早稲田大学の英文科教授をしていた方です。

小沼 丹(おぬま たん、1918年(大正7年)9月9日 - 1996年(平成8年)11月8日)は、日本の小説家、英文学者。本名は小沼 救(おぬま はじめ)。日本芸術院会員。
「大寺さんもの」など、日常を題材とした小説のほか、随筆の名手としても知られる。また、英文学者としても知られており、早稲田大学では文学部教授として教鞭を執った。

小沼丹の随筆が好きで、ホッとする日本語を読みたいときに手に取ります。

「何がそれほど惹きつけるのか。何が親しみと共感のうちにやがて深い喜びと安らぎをもたらすのだろう。誠実味だろうか。腕白とユーモアだろうか。決して愚痴をこぼさない男らしさだろうか。詩的感受性の細やかさだろうか。東西の文学、芸術から吸収して当人の気質に融け込ませてしまった教養の力だろうか。悠々としているところだろうか。つまるところは才能というほかないのである」。(庄野潤三

この随筆集の編集をした庄野潤三の本もホッとしたいときに手に取っていました。

わたしお疲れなのかな?