PARANOID ANDROID

140文字以上の主に本についてのつぶやき

『バッド・フェミニスト』ロクサーヌ・ゲイ

先日読み終わった本ですが、感想をあげ忘れていました💦
ロクサーヌ・ゲイの『バッド・フェミニスト』。

私はピンクの服も着たいし男性も好きなダメ・フェミニスト

でも、矛盾を抱えて完璧ではない自分や他人を受け入れ、分断を乗り越えて差別のない世界を夢見たい。 映画やテレビドラマや音楽などのポップカルチャー、社会に衝撃を与えた犯罪や事件を取りあげ、性差別と人種差別、経済格差などが交差するアメリカの文化状況を鋭く読み解く。

ユーモアがあって、刺激的で、切実。 彼女の視点を自分の中に蓄えることができるのは、本当に幸せなことだ。 みんなバッド・フェミニストで生きよう

―松田青子さん(小説家)

性別によって機会や権利が異なるのはおかしい。だが正直に言えば、私は「フェミニスト」というワードが含まれた著作物にコメントを寄せることにためらいと警戒があった。自分では剝がすことのできないレッテルを貼られるような気がしたから。しかし、好奇心がそれを上回った。「バッド」が付いていたから。 そんな自分を肯定できると前のめりに読んだ序盤、傷付くことを避けて通れなかった中盤、頭と心にたっぷり汗を掻いたあと、穏やかに寄り添えた終盤。まるで旅のようだった。今の私が納得できるもの、そうでないもの。それはやがて変化するかもしれない。いくつかの私の間違いと勘違いは修正され、新しく学んだこともあった。 読後、私はフェミニズムとの断絶を感じたり、自分にその資格があるかと不安を感じたりはしていない。それぞれのやり方で向き合えば良いと、ロクサーヌが教えてくれたからだ。

ジェーン・スーさん(コラムニスト)

「女でいることを理由にクソみたいな扱いは受けたくないのだ。」

この本でいうフェミニストとは「ただ単にクソみたいな扱いをされたくない女性たちのこと」。

この本が書かれた時(2014年)、

「1973年以来、合衆国の女性には妊娠中絶を選択する権利がある。女性には当人が望んでいない場合に母となることを強制されない権利がある。」

でも今アメリカ中絶できなくなってるよね?
それは女性の権利(自由意志)が侵犯されてるってことだよね。

それから、

ウォール・ストリート文化と荒れ果てた経済、階級間の著しい不平等にますます広がりつつある持てる者と持たざる者の格差、恐ろしい学生ローンと消費者負債危機、不穏な人種情勢、ゲイ、レズビアントランスジェンダーの人々の市民権の不足、多くの人に届いていなさすぎる健康保険システム、止むことのない戦争、すぐそこにある世界的脅威」

〜317ページ

これらの問題を知ることは、知識として知るよりもっと深く共感するように必要以上に知ってしまうのはわたしには危険かもしれない。
ただでさえ、メンタルの調子が悪いときはアフリカの子供や動物のことを思ってしまい食事ができなくなるのに、例えばこの本に書かれていたアフリカ系アメリカ人たちの不幸な歴史から始まり現在でも連綿と続いている人種差別は深入りしてしまうと、こういった問題を知らなかった自分の存在自体が罪であるように感じられてしまう(自分だって有色人種なのに)。
どこかで知るのをストップしないとわたしの精神衛生上よくない。

と思いました。