PARANOID ANDROID

140文字以上の主に本についてのつぶやき

『森をひらいて』雛倉さりえ

雛倉さりえ『森をひらいて』を読んだ。

一言で言えばガールズフッドものだけれど(百合描写あり)、
今のわたしにチューニングがあっていた本だった。

男たちに、大人たちに、私たちは養われている。
そうだ、本当はみんな、痛いほどそのことをわかっている。森で遊んだり、睦みあったり、たのしく日々を過ごしていても、その根底で意識している。
私たちを閉じこめ、傷つけるものによって日常はつくられている。抗いの素ぶりすら許されず、薄っぺらな平穏にくるまるて、何もわからないふりをして過ごすことしかできない。

~『森をひらいて』雛倉さりえ 127ページ

これは、この言葉は、わたしの今の生活だ。わたしみたいな女性がどれほどいることか。

現状を変えられず、変えることが怖くて、男性の庇護下にいるわたしをわたしは嫌悪する。

ーー変えなくちゃ。

わたしは無力だけど。

それから、なぜだかわからないけど読み進めながら揺(よう)に感情移入していたのだけど、自分の感情を表すのを抑え、相手から見た正解を常に他者に差し出してきた揺が、でもその時の心臓がざわつき、細胞が泡立つようなあの感覚、違和感の正体が憤りだと気づけてとてもよかった。